最近食べ物がよく噛めない…食べ物がよく飲みこめなくなった…そんな時は口腔の機能が低下している可能性があります。

当クリニックでは、そのようにお感じになられる患者さんのために、簡単な検査ができるように準備いたしました。

口腔機能低下症とは

加齢だけでなく、疾患や障害など様々な要因によって、口腔の機能が複合的に低下している疾患です。

放置しておくと咀嚼機能不全、摂食嚥下障害となって全身的な健康を損ないます。

高齢者においては、う蝕や歯周病、義歯不適合などの口腔の要因に加えて、加齢や全身疾患によっても口腔機能が低下しやすく、また低栄養や廃用、薬剤の副作用等によっても修飾されて複雑な病態を呈することが多いです。

そのため、個々の高齢者の生活環境や全身状態を見据えて口腔機能を適切に管理する必要があります。

症状

口腔内の微生物の増加、口腔乾燥、咬合力の低下、舌や口唇の運動機能の低下、舌の筋力低下、咀嚼や嚥下機能の低下など複数の口腔機能が低下している。

検査

次の項目のうち、3項目以上当てはまるようでしたら「口腔機能低下症」と診断します。

1.口腔衛生状態不良

舌苔の付着状態を検査します。舌全体の50%以上の付着が該当します。

判定基準:50%以上

2.口腔乾燥

口腔粘膜の湿潤度を口腔水分計ムーカスにより測定します。

判定基準:27.0未満

3.咬合力低下

残っている歯が20本未満であれば該当します。残存歯数が20本以上で感圧フィルムを使用して検査します。

判定基準:200N未満

検査の主な流れとポイント

模型と合わせたり被蓋関係を確認するなどし、適切なサイズをS、M、Lから選択します。

STEP
1

歯列全体がフィルムに納まるようにデンタルプレスケールⅡを口腔内へ挿入します。

STEP
2

デンタルプレスケールⅡを約3秒間噛み締めてもらいます。

STEP
3

プレスケールシートに付いた唾液をやさしく拭き取り、消毒用エタノール等で清拭消毒します。

STEP
4

位置決めテンプレートとデンタルプレスケールⅡをスキャナにセットし、読み込みます

STEP
5

不要な外形をトリミングし、咬んで発色した部位を抽出します。

STEP
6

咬合力等の解析結果が表示されます。

STEP
7

4.舌口唇運動機能低下

オーラルディアドコキネシスという機器を使用して、1秒あたりの「パ」「タ」「カ」を何回言えるかを測定します。

判定基準:6回/秒未満どれかひとつでも

5.低舌圧

舌圧測定器にて、舌の圧力を測定します。

判定基準:30kPa未満

6.咀嚼機能低下

2gのグミゼリーを20秒間咀嚼し、10mlの水にどのくらいグルコースが溶出したかを測定します。

以上、6項目を検査し、判定いたします。

治療

本格的な治療をご希望の方は、大学病院の高齢者歯科などを紹介させていただきますので、お気軽にご相談ください。

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