お子さまの治療についての考え方
当クリニックでは、大人は歯槽膿漏予防(歯が揺れて抜けることがないようにします)。お子さまは虫歯予防(虫歯にならないようにフッ素を定期的に塗ります)を目標に「なるべく抜かない、削らない」を実践しております。
虫歯には段階があり、C1(エナメル質)、C2(象牙質)、C3(神経を抜かなくてはいけない)と、順に症状が重くなります。
C1に関しては、エナメル質(神経のない、歯の白い硬い部分)に限局しており、痛みもなく、しっかりとしたブラッシングとフッ素を塗っていれば虫歯の抑制が見込まれるので、絶対に削らず、経過を観察します。
ところが、C2の段階になると、特に乳歯の場合は早期にC3に移行してしまいます。
神経を抜くと、根の先に膿をもつなどで、歯の寿命が縮まるとお考えください。また根の先に膿を持つとその下からはえる永久歯の歯並びにも影響します。
よってC2の段階では、早めに虫歯を除去して神経を保存する方が良いかと思います。
なるべく削らないのは、当然ですが、やむを得ず削る場合もありますので、ご理解のほどよろしくお願いします。
治療の進め方
まず治療ができるお子さまか見きわめます。いきなり押さえつけて無理やり歯を削ったりすると、お子さまの歯医者嫌いは加速してしまいます。
まず応急処置などをして痛みを与えず、ブラッシング指導やフッ素塗布を行い治療に慣れさせることが当クリニックの原則です。
もちろん、治療ができそうであれば、すぐにでも治療を開始致します。ここの見極めが重要です。
早めの治療は大切ですが決して無理に進めることはしません。
白いつめ物?銀のつめもの?
お子さまのつめものに関しては色々な考え方があります。
皆様は、白いつめものの方がきれいだし、よいとお考えのことだと思います。
もちろん前歯には白いつめもの(レジンといいます)を使いますが、奥歯に関しては虫歯の場所、大きさにより、つめものを変えています。
歯と歯の間に大きな穴があいてしまった場合には、レジンだと咬む力に耐えられずいつの間にか、歯からはがれてしまい、気づいた時には虫歯が神経まで行ってしまったということが多いように思われます。
こうしたことが予想される場合は、皆様のいう銀歯(インレーといいます)にすることを治療前に相談させて下さい。
決して銀歯を無理強いすることはしませんが、乳歯が銀歯でも、抜けてしまえばきれいな白い永久歯がはえてきます。
見た目を重視するか、長持ちさを重視するか、難しい所でありますが、よく相談して治療方針を決めていきます。
治療後のメンテナンス
3~6ヶ月ごとのブラッシングのチェック、フッ素塗布などの定期検診がお子さまのお口の健康に最適であることは言うまでもありません。
ぜひ「削るために歯医者に来る」のではなく「削らないようにするために歯医者に行く」ようになっていただければ幸いです。